【自作小説】鬼畜(3)

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第3部

その日は伸二を養子に出す話しだけで伸二をアパートに連れて帰り、どうやってあゆみを説得するか正雄は知恵を絞ったがいいアイデアが思いつかず、いっその事その坊さんにあゆみを説得させてあゆみの首を縦に振らせれしかないと正雄は住職に電話をした。しばらく坊さんはあゆみのスナックに通いつめたらしく、あゆみも自分がお腹を痛めて産んだ子では有るが今の養育環境は良いと思っていないらしく、次第に伸二の養子の話しにOKするように成った。ただ、伸二が今の家に帰りたいと言えばすぐに連れ戻す約束で、伸二を養子に出す事をOKした。

ある雨の日の昼頃、正雄は伸二を車に乗せていつも食事に行く定食屋で伸二の好きな食べ物を食べさせて車に乗り、しばらく大阪市内を車で走り高槻市のお寺に着き、車の中で正雄は伸二に「今日から伸二はお坊さんの子供に成ります」と伸二に告げて車から伸二を抱きあげて出し、今か今かと待ちまびていた住職が門から顔を出して出てきた伸二は考える暇もなくお坊さんに背を向けてたち、お坊さんは伸二の小さい両肩に手を回し、もう我が子のような振る舞いで有った。今回伸二を寺に養子に出した報酬はあゆみの口座に振り込まれ、それも正雄が確認してから伸二と交換する事に成っていた。

雨が降る中、正雄は泥道を歩き車に乗り込み、「伸二頑張れよ」と一言言い残し車が発進した所で、伸二は住職の手を振りほどき正雄の車を追っかけてきたが、正雄は車を加速させて後輪のタイヤが泥を跳ね上げて、伸二は泥だらけに成った。段々小さく成って行く伸二をバックミラーで見ながら、「この金でまたパチンコに行ける」と思いながら、今日はさすがにパチンコはまずい、あゆみの機嫌をとらないと、あゆみもまだ若いもう1回ハラマして子供の無い家庭に売りつけるかと笑いながら車を走らせ、ふと助手席を見たら伸二の履いていた靴が有り、靴を片手で取り上げて運転席の窓を開けて靴を外に放り投げて両手の手のひらを叩きニヤリと笑いながら、「お魚なくわえたどら猫おっかけてはだしでかけてく陽気なサザエさん」を歌いながら再度正雄は笑った。伸二が走れないように車に乗せてから靴は脱がせておいたのだった。

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